

法律勉強会では、知的財産権に関わる法律を実務の視点から検討します。法改正や最新判例等を題材に取り上げて、ディスカッション形式でも進められます。
平成23年9月8日に行われた「知的財産支援フォーラムin信州」での上記テーマの講演(セイコーエプソン株式会社 知的財産本部長 上柳雅誉氏)の聴講者による同講演の紹介
平成23年5月31日に特許法等の一部を改正する法律が可決成立した。改正の概要は、①ライセンス契約の保護の強化、②共同研究・共同開発の成果の適切な保護、③ユーザの利便性向上、④紛争の迅速・効率的な解決のための審判制度の見直し、など多岐にわたる。施行は来年の4月1日の予定と言われている。7月22日から数週間にわたり、改正法を勉強していく。
2週にわたり、非自明性の判断基準に関するKSR事件最高裁判決と、当該事件によって変更されたMPEPガイドラインを説明。
Inequitable Conduct(IDS義務違反)について争われた最近のCAFC判決を紹介。
米国独特の記載要件である"means or step for + function"(35 U.S.C. 112 6th paragraph)についてレクチャーして頂いた。この記載要件をクリアするにはどのような記載が好ましいか、さらにはmeans or step for + function の表現が権利行使においてどのように作用するのか、CAFCの判例を引用して詳しくレクチャーして頂いた。
なお、Tekanic氏は日本で数年に亘って当所所長の小玉らと一緒に知財業務に携わった経験がある。また、当所では現在も氏に英文明細書のレビュー等を依頼している。
最近の米国実務についてレクチャーが行われた。KSR判決以後の審査実務、拒絶解消のための宣誓供述書(37 CFR 1.132)の有効活用、コンピュータ関連発明におけるクレームの書き方の留意点など、所員の質問に答える形で様々なトピックスについて解説があった。渡辺弁護士は、以前に当事務所にて1年間業務に携わったのち米国に渡り弁護士資格を取得した。
長年の実務体験を交えながら、米国特許法全般を概説。オリジナルテキストを使用。以後、毎週金曜日、2ヶ月程度にわたり実施の予定。自らの長年の実務体験を交えながら、実務に直結する知識を多数紹介する。
事件例:東京地判平成21年(ワ) 第7718号 特許権侵害差止等請求事件
特許第4111382号 (発明の名称:餅)の特許権者である原告が、被告製品の製造販売等する行為が本件特許権を侵害に当たるとして、差止請求等を求めた事案である。
事件例:東京地判平20.12.9(平成19(ワ)28614),知財高判平21.6.29(平成21(ネ)10006)
均等論について争われた事例。東京地裁では、文言侵害及び均等侵害がいずれも否定。知財高裁では、文言侵害を否定し、均等侵害を認容。

「除くクレーム」とする補正についての判例勉強
審査基準が平成22年6月1日に改訂された契機となった判例を勉強した。
テキスト:「「除くクレーム」とする補正および構成要件を削除する補正に関する判決」 パテント2010,Vol. 63, No. 12, pp. 68-76
事件例:東京高判平18.6.29(平成17(行ケ)10490)
引用例と本願発明とは技術的思想が異なり、引用例には本願発明に想到するための示唆(契機、動機付け)がないとして、進歩性を認めた例

カナダ特許制度についてレクチャーが行われた。カナダ特許制度は米国特許制度と類似しているため、米国特許制度と対比してカナダ特許制度に特有の事項について説明がなされた。具体的には、誠実義務(duty of candor)と、新規性、進歩性、分割出願についての説明があった。
2010年4月施行の新ルールについてのレクチャーが行われた。サーチレポートに関する新ルール(サーチレポートへの応答の義務化等)や、分割出願の時期的制限に関する新ルールについての解説があり、昨年のレクチャーと略同様の内容であったが、新ルールの内容について確認する良い機会であった。また、EPO長官から付託されたコンピュータ・プログラムの特許適確性についての質問に対するEPO拡大審判部の意見(G3/08)についての解説があった。
事件例:知財高判平18.12.20(平成18(行ケ)10102)
審査段階では刊行物2に記載されているとしていた事項を、審判段階で周知技術であるとしたが、その事項は周知技術とは認められず、出願人に意見を述べる機会を与えなかったから手続違背であると判示された例
(特許庁編 進歩性ケーススタディ「周知技術・慣用技術」より)

事件例:東京高判平成4.5.26(平成2(行ケ)228)
拒絶理由で通知した引用例に周知技術を加え、拒絶理由を改めて通知することなく拒絶の審決をしたことに手続的違背はないと判断した事件
(特許庁編 進歩性ケーススタディ「周知技術・慣用技術」より)



事務所内で行われている弁理士試験ゼミの光景です。
疑問点などは所内弁理士が懇切丁寧に教えてくれます。
